効率を上げる睡眠
最近しっかり寝れていますか?
みなさんこんにちは!本日は、ドイツの医科大学の睡眠に関する研究をご紹介したいと思います。ご興味があれば、是非見てみてください!
目次
- 結論
- 語句の紹介
- 研究内容の紹介
- 結果から分かること
- 反例
- まとめ
1. 結論
良好な睡眠には、騒音がなく静かな寝室が必要である。つまり、音は睡眠の質に影響を与える!
睡眠の質が低下すると次にようなリスクが増加します
・心疾患リスクの増加
・自己コントロールの低下
・コレステロール値の増加 など
では、なぜこのような結論に至ったのか?実験を簡単に説明します。
2. 語句の紹介
・睡眠段階について
N1:浅い眠りの段階、眠り始め
N2:軽く寝息が出てくるような感じの段階、ただし、まだ浅い眠り
N3:身体や名前を呼んでもなかなか起きない深い眠り
覚醒:起きている状態。ただ寝転がっている感じ
REM睡眠:体が全く動かない状態で、夢を見ている段階。目が急速に動いている
・クロノタイプ:もつ遺伝⼦によって、性格や能⼒を発揮できるタイミングが違う。大きく朝型と夜型に分けられるがここではさら
に詳しく4つに分けてみる。みなさんはどれに当てはまりますか?
◇クマ型(朝型)
・全体⼈⼝の何%?:50%
・必要な睡眠時間は?:7時間以上
・ベストな寝る時間:23時
・ベストな起きる時間:7時
・ベストな運動時間:7時〜12時
・ベストな集中時間:10時〜14時
・ベストなコーヒータイミング:9時半〜11時半 / 13時半〜15時半
◇ライオン型(昼型)
・全体⼈⼝の何%?:15%〜20%
・必要な睡眠時間は?:7H
・ベストな寝る時間:22時
・ベストな起きる時間:5時半〜6時
・ベストな運動時間:17時
・ベストな集中時間:8時〜12時
・ベストなコーヒータイミング14時〜16時
◇オオカミ型(夜型)
・全体⼈⼝の何%?:15%〜20%
・必要な睡眠時間は?:7H
・ベストな寝る時間:0時
・ベストな起きる時間:7時半
・ベストな運動時間:18時
・ベストな集中時間:17時〜0時
・ベストなコーヒータイミング:12時〜14時
◇イルカ型(超夜型)
・全体⼈⼝の何%?:10%
・必要な睡眠時間は?:6H
・ベストな寝る時間:23時半
・ベストな起きる時間:6時半
・ベストな運動時間:7時半 ・ベストな集中時間:15時〜21時
・ベストなコーヒータイミング:8時半〜11時 / 13時〜14時
3. 研究内容の紹介
この研究では、音がどのくらい睡眠の質に影響を与えるのかを調べたものです。具体的な音を挙げると、ノイズである公共交通機関の音や飛行機の騒音などです。
このような音の影響を調べるために次のような実験を行いました。
<実験対象>
男女24人(男性:15人、女性:9人)
年齢:24.9±4.1歳
<方法>
三つの部屋に分けて睡眠の質を測りました。
①外部の音をほど完全にシャットダウンさせた部屋(平均19dB)
②自宅の寝室(測っていない)
③研究室(平均24.9dB)
就寝時間:23:00~24:30の間で統一
*ちなみに、寝室の日常で使う電子機器は切られています。
<結果>
睡眠段階の評価
N1~N2:3つとも大きな変化なし
N3:①は②よりも30分多くなった
③よりも16分多くなった
REM睡眠:①は②よりも50分多くなった
③よりも20分多くなった
覚醒回数:(1時間当たり)
①は②より1.2倍多くなった
③よりも1.3倍多くなった
睡眠の質の評価
①58.4 ±16.1
②62.0 ± 15.0
③51.2 ± 20.7
4. 結果から分かること
この結果から次にようなことがわかりました。
・自分の寝室の方が睡眠スコアは高い→安心感や落ち着きが影響しているのではないか
・寝室は静かな方がが明らかに睡眠効率は高い→音はやはり睡眠に影響を与える
・寝室は平均して約20dB以下の方が好ましい
・騒音をなくす事で、無意識的に覚醒回数を減らすことができる
また、先行研究からノイズはN2に影響を大きく与え睡眠を害することがわかっています。
などが考えられます!みなさんは、他にどのようなことが推測できますか?
5. 反例
この研究では寝室の室温や湿度なども測られていましたが、影響は見られませんでした。しかし、先行研究や書籍から、室温は影響するという報告を見たことがあります。確か、18℃がベスト温度だったと思います。(湿度は忘れました)
また、この研究は研究対象が今までの規模を比較するとかなり小さく信憑性が低いこともわかります。なので、あくまでも参考までにしていただければいいと思います。
睡眠パターンでも個人差があり、この研究では個人のクロノタイプまで明確に調べていないので、夜型だった人がこの実験に参加すると明らかに悪いスコアになることが予想されます。なので、しっかりとクロノタイプや大規模の実験から考えた方がいいと思いました!
音と健康に関してWHOの見解では、
日常生活では50dB以下
寝室では5~10dB以下
が安全であると言っています。でも、高い音は簡単に50dBを超えてくるのでなかなか現実的な数字ではないことがわかります。
睡眠に関してはまだよく分かっていないことが多いので、更なる研究発展に期待したいです!
6. まとめ
今回は、良好な睡眠をするにはどうすればいいのかを考えて見ました。
色々な研究結果がある中で、自分にあった睡眠パターンを見つけることが重要ですね!!
参考文献
・Charlotte Barthe, The Effect of Room Acoustics on the Sleep Quality of Healthy Sleepers, Charité − Universitätsmedizin Berlin, CCM-CC11, Centre for Sleep Medicine, Berlin, Germany, Noise Heath, 2016 Sep-Oct; 18(84): 240–246.・関, 4S習慣通信, Vol.15